マグネシウム (Mg) は全ての生体細胞にとって必須です。土類金属は人体の構造と機能において重要な役割を果たします。
人体の場合成人では、約25グラムのマグネシウムを含んでいます。体内の60%を超える全てのマグネシウムは、骨格内に含まれ、27%が筋肉内に含まれています。
マグネシウムは300を超える必須の代謝反応に関係しています。
人体の以下の機能に役立つ観点からマグネシウムの十分な摂取は重要です
欧州委員会などに科学的助言を行う欧州食品安全機関(EFSA)は、以下の身体機能に寄与するマグネシウムの食物摂取における明確な健康上の利点が確立されたことを立証しました:
- 電解質平衡;
- 正常なエネルギー供給の代謝;
- 心筋を含む正常な筋肉機能;
- 正常な神経機能;
- 正常な細胞分裂;
- 正常な骨の維持;
- 正常な歯の維持;
- 正常なタンパク質合成。
高血圧
規則正しく多くの果物と野菜と共に低脂肪乳製品を摂取することにより血圧を下げることができます。これらの食物の全てはカルシウムおよび、カリウムと同様に、マグネシウムを豊富に含んでいます。これらの栄養素の何れが血圧を下げる効果に関わっているかを特定するのは極めて難しいと言えます。
大規模研究では、食事を通してのマグネシウムの高用量摂取により女性における高血圧の発症を減少させることができることが判明しました。
心臓疾患
1つの大規模研究で、女性では血中マグネシウムレ濃度の増加が心臓疾患の発症リスクの減少に関連する傾向を示したのに対し、男性においては心臓疾患との関連性は立証できませんでした。しかし、食物によるマグネシウム摂取において最も摂取量の低かったグループでの心臓疾患のリスクは、最も摂取量の高かった男性または、女性におけるリスクに比較して著しくリスクが高い訳ではありませんでした。
現在、食物からのマグネシウム摂取と心臓疾患のリスク間の関連性は不明瞭のままです*。
* 原則–微量栄養素研究の複雑性 参照してください。
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以下に留意してください:
微量栄養素の高用量投与による全ての食事療法または、医薬品治療には医師の指示が必要です。
高血圧
マグネシウムサプリメントを使っての異常高血圧(「高血圧症」)治療を試みる 臨床研究の結果は矛盾しています。マグネシウムが高血圧症の患者を治療するメリットがあるか否かを決定するためには、長期臨床試験が必要です*。
心臓疾患
マグネシウムは心臓の健康を維持するためには不可欠です。このミネラルは、特に正常な心臓の鼓動を維持するために重要で、特に鬱血性心不全患者の不整脈 (「不整脈」)を治療するため医師によって一般的に使用されます。
しかし、心筋梗塞から生還した患者の治療にマグネシウムを使用する研究結果には一貫性がありません。幾つかの研究では、心筋梗塞発症後の治療の一環としてマグネシウムを使用した結果、死亡率の低下と同様、より少ない不整脈と血圧の改善があったことを報告していますが、他の研究では、そのような効果は確認できなかったと報告されています*。
脳梗塞
集団調査による結果は、食物でのマグネシウム摂取不足に該当する人々が脳梗塞の より深刻なリスクに曝されている可能性を指摘しています。
ある特定の予備的な臨床的証拠によれば、硫酸マグネシウムが脳梗塞あるいは、脳のエリアへの一時的な血液供給障害(「一過性脳虚血発作」、TIA)の治療に役立つ可能性のあることを示唆しています。
妊娠高血圧腎症
妊娠高血圧腎症 は、妊娠後期(第3期)の間に血圧が急激に上昇することで特徴的です。妊娠高血圧腎症を発症した女性は、発作を起こすので、これが子癇と呼ばれる所以です。
病院で静脈内投与(点滴あるいは、静脈注射)されるマグネシウムは、子癇に関連する発作の予防あるいは、治療の何れかの処置選択となります。
糖尿病
2型糖尿病は、血液中マグネシウムの低濃度が原因とされています。大規模臨床研究では、食物での高用量マグネシウム摂取により2型糖尿病の発症を防げる可能性を見出しました。マグネシウムが、2型糖尿病発症のリスクを減らして、これらの人々のインスリン感受性を高めることを発見しました。
他の臨床研究では、特に高齢者について同様な結果を発見しました。
糖尿病患者におけるマグネシウム欠乏症は、患者を感染症と病気の影響をより受け易くし、免疫力を低下させる可能性があります。
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骨粗しょう症
カルシウム、 ビタミンD、マグネシウムおよび、他の微量栄養素不足は、骨粗しょう症を引き起こすと考えられています。
男性と女性の双方にとって、幼年期から成人期を通して包括的な適正栄養素を加味したカルシウム、マグネシウムおよび、ビタミンDの適量摂取と体重負荷運動を併せて行うことが骨粗しょう症発症を防ぐ主要な予防手段です。
片頭痛
子供とティーンエイジャーを含む片頭痛患者のマグネシウム濃度は、緊張性頭痛あるいは、全く頭痛のない人々に比較してより低い傾向があります。
更に、幾つかの臨床研究では、マグネシウムサプリメント投与で片頭痛期間を短縮して、医薬品の投与量を減らすことができる可能性を示唆しています。
何人かの専門家は、マグネシウムの経口摂取が、片頭痛に苦しむ人々のための処方箋医薬品に替わる適切な代案である可能性を示唆しています。マグネシウムサプリメントは、副作用のため医薬品を使用することができず、妊娠あるいは、心臓疾患のため片頭痛医薬品を飲むことができない片頭痛患者のための喜ばしいオプションであることが明らかにされるかも知れません。
片頭痛医薬品に対する一方の選択肢として、マグネシウムサプリメントの意義を評価するため、より一層の研究が必要です*。
喘息
集団調査 では、食物でのマグネシウムの摂取不足が、子供と成人の喘息を発症させることが判ってきました。
更に、幾つかの臨床研究では、静脈注射および、吸入によるマグネシウム摂取が成人と同様に、子供の深刻な喘息発作の治療に役立つ可能性を示唆しています。その他の臨床研究では、長期の経口マグネシウムサプリメント摂取が成人喘息患者の抑制改善に繋がらなかったと報告しています*。
注意力欠陥/多動性障害 (ADHD)
何人かの専門家は、注意力欠陥/多動性障害(ADHD)の子供の怒りっぽさ、注意持続時間の減少および、精神的な混乱が軽度のマグネシウム欠乏症の影響の結果の可能性があると確信しています。1つの臨床研究では、ADHDを発症している子供の95%がマグネシウム欠乏症であることを示しています。
別の臨床研究では、マグネシウムを投与されたADHD疾患の子供は行動においてかなりの改善を示したのに対して、マグネシウムを投与せず、標準の治療のみを施された患者は行動症状の悪化を示しました。
これらの結果は、マグネシウム補給がADHDを発症した子供にとって有益であることが立証されたことを示唆しています。
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不妊症と流産
流産の症歴のある女性と同様に、不妊症の女性についての小規模の臨床研究では、マグネシウム不足が生殖機能を害し、流産のリスクを増大させる可能性のあることが判明しました。
不妊症治療の一つの方法として、マグネシウムとセレニウムの投与が提案されています。
月経前症候群 (PMS)
科学的な証拠と臨床経験は、マグネシウムサプリメント投与が、PMS特に腫脹、不眠症、足の浮腫み、体重増加および、乳房の圧痛に関連する症状の緩和に役立つ可能性を示唆しています。
予備的な情報は、またマグネシウムが情緒不安定の緩和に役立つ可能性のあることも示唆しています。
*原則–微量栄養素研究の複雑性も参照してください。
ヨーロッパの保健機関は、成人1日当たりのマグネシウムの容認できる摂取量の範囲を150~500mgに決定しました。
米国では、男性成人の推奨摂取量を400~420mg、女性成人については、310~320mgに設定しました。
栄養調査では、多くのヨーロッパ諸国と米国の平均的な概算マグネシウム摂取量が推奨摂取量より下回っていることを示しました。
マグネシウムの食物摂取レベルが往々にして低いという事実にも拘わらず、この栄養素の実際の不足は希です。
しかし、特定の疾患が人体内のマグネシウムバランスを壊してしまう可能性があります。例えば、嘔吐または、下痢を伴う腸 感冒(下痢を伴うインフルエンザ)は、一時的なマグネシウム欠乏症を引き起こします。特定の胃と腸の疾患、糖尿病、膵臓炎、腎臓機能不全および、利尿剤の使用はマグネシウム欠乏を引き起こします。
重度の月経、多汗および、長いストレス状態と同様、大量のコーヒー、ソーダ、塩または、アルコール摂取量はマグネシウムレベルを下げる恐れがあります。
マグネシウム欠乏症の症状は、動揺と心配、下肢静止不能症候群(RLS)、睡眠障害、興奮性、吐き気および、嘔吐、不整脈、低血圧、混乱、筋肉痙攣および、脱力感、過呼吸、不眠症、爪の成長不全および、発作などです。
マグネシウムを豊富に含む給源には、豆腐、マメ科植物、全粒粉、緑色葉物野菜、小麦ふすま、大豆粉、アーモンド、カシュー、廃糖蜜、カボチャと冬カボチャの種、松の実および、クログルミが含まれます。
マグネシウムが中心原子である高単位の葉緑素を含む緑色葉物野菜は特にマグネシウムの優れた給源です。
このミネラルの他の優れた食物給源には、ピーナッ、全粒小麦、オート麦粉、ビートグリーン、ほうれん草、ピスタチオ、シレッデッド・フィート、ブランシリアル、オートミール、バナナおよび、ベークポテト(皮付き)、チョコレートとココア・パウダーが含まれます。
マグネシウムの過剰摂取による人体への副作用(例えば、下痢)がマグネシウムサプリメントの摂取で観察されています。 腎臓機能に障害のある患者はマグネシウムサプリメントの副作用を受けてより高い危険性に陥る可能性があります。 マグネシウムの血中濃度が上昇した状態(「高マグネシウム血症」)は、血圧の低下 (「低血圧症」)を招く恐れがあります。眠気、混乱、不整脈および、腎臓機能の低下などのマグネシウム毒性後遺症効果の何れかが重篤な低血圧症と関連しています。高マグネシウム血症が進行すると筋力低下や呼吸困難を引き起こす恐れがあります。
許容上限摂取量
ヨーロッパの保健機関が成人のための栄養補助食品におけるマグネシウムの許容上限摂取量を250mg/日に設定したのに対して、米国では350mg/日をその数値として設定しました。
薬物間相互作用
以下に留意してください:
潜在的な薬物相互作用のため、栄養補助食品と医薬品の同時摂取に当たっては先ず、医師にご相談ください。
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